TOP > メディア掲載記事 > 日本経済新聞 H22.12.11

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発見 静岡のちから ご当地「はちみつパン登場」 ブログで消費者と連携

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地域交流サイトやコミュニティーFM放送に寄せられる消費者のこんな製品が欲しい」という声を、地域の企業が形にする。そんな新しい地産地消の取り組みが浜松で進んでいる。浜松市に本社を置くパン・洋菓子製造のマルト神戸屋(浜松市)が来年1月1日に発売するご当地「はちみつパン」だ。

  企画がスタートしたのは今年1月。浜松地域のご当地ブログサイト「はまぞう」を運営するシーポイント(浜松市)が、ブロガーを巻き込んだ商品を企画したいとマルト神戸屋に提案。コミュニティーFM「FM Haro!(ハロー)」を運営する浜松エフエム放送(同)、地元で人気のはちみつ店の長坂養蜂場(同)も賛同し、4社で共同開発が始まった。

  長坂養蜂場を代表する製品「二代目のはちみつ」を使ったパンを作ろうと開発に着手したが、苦難の連続だったという。はちみつをそのままパンにはさむと流れてしまう。「アップルパイ」にしてリンゴと合わせるにも、はちみつの風味を失っては意味がない。神戸屋の石川登営業企画課長は「何度もやり直して、正直途中で心が折れかかった」と振り返る。

  デフレが進む消費の世界で、価格も重要なポイントになる。価格の安いはちみつを使う案も出たが、やはり「二代目のはちみつ」にこだわることにした。パンの価格は120〜150円(税抜き)と、一般の商品に比べると若干高いが、「月間600万円の売上は見込める」(神戸屋の大石勝巳営業部次長)自信作に仕上がった。

  はまぞうやFMハローでは、消費者に開発状況を逐一報告してきた。4社がはまぞうに設けた特設ブログコーナーをのぞくと、企画会議や工場の様子を写真で紹介している。ネット上だけでなく、実際にブロガー十数人に集まってもらって試食会も開いた。

  試作品をほお張りながら感想を話し合うブロガーの着眼点は「社員や材料メーカーの視点とは全く異なり、参考になる」(石川課長)。はちみつパンはあくまで第1弾。今後もブロガーやFMリスナーのアイデアを生かした地産地消のパン作りを進めるという。

  シーポイントも今後、地域の企業にブロガーと連携した商品企画プロジェクトの参加を積極的に呼びかけていく。全国各地に40以上あるご当地ブログサイトとも連携し、ご当地商品の情報を全国規模で広めていくことも検討している。

  日本には規模が小さいが、きめ細かな仕事ができる優れた中小企業が数多く存在する。しかし大手企業が海外に生産を移管する流れの影響で、衰退しているのが実情だ。地域密着のメディアを媒介に地域が一体となって、地方ならではの新たな価値を生み出す取り組みは、日本にものづくりを残す試みでもある。

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