TOP > メディア掲載記事 > 日本経済新聞 H22.05.13

メディア掲載記事

ご当地ブログで需要発掘

記事サムネイル

PRコーナー開設広がる

静岡県西部の企業の間で、地域情報の書き込みが集まる「ご当地ブログ」サイト内に、地域住民との交流の場を作る動きが広がり始めた。遠州鉄道はバス旅行の需要開拓を狙って旅の専用コーナーを開設。釣り具販売のイシグロ(浜松市)や注文住宅の都田建設(同)も事業内容に合わせたコーナーを設けた。ブログの“口コミネットワーク”を活用し、潜在需要を掘り起こす試みだ。

県西部や東三河をエリアとするブログサイト「はまぞう 」は、2005年に地元IT企業のシーポイントが開設した。ブログの数は1万6000以上に上り、書き込み数は累計で220万件に達している。

こうした地域住民の交流の場を、企業のマーケティングの場として提供しようと、シーポインが4月に立ち上げたのが「はまぞうスペシャルカテゴリ」だ。

企業は月額15万円程度の費用を支払い、はまぞうのトップページに専用コーナー設ける。自社の事業内容と関連性の深いテーマのブログを、日々投稿される記事の中からピックアップして紹介。企業からもPR情報などを配信する。

利用企業は閲覧を増やそうと、工夫をこらしている。例えば遠州鉄道は、「旅の想い出日記 」と題したコーナーを設置。バス旅行「バンビツアー」のPRが目的で、はまぞうに投稿される旅に関するブログなどを紹介している。中でも目を引くのはバスガイドによるブログコーナー。ガイドが個人的に出かけた旅先情報などを紹介している。

バスツアーは利用客の大半が60歳代以上。利用客は減少傾向にあり、ピークだった90年度(年間約32万人)の7割程度の水準まで落ち込んでいる。「若い世代に興味を持ってもらうことが課題」(遠州鉄道)。ブログサイトを通じて若年層にバス旅行の楽しさを訴えるのが有効と判断した。

イシグロは「釣り情報 」と題したコーナーで、釣り関連のブログを紹介。体験コースなどの参加を呼びかけている。

サービス利用の狙いは「自社のホームページに釣り未体験者を呼び込むこと」(販売部)。自社サイトで初心者向けの釣り情報を充実させているが、釣りに興味がない人は閲覧するきっかけがない。はまぞうを通せば、未体験者を誘導しやすいと判断。「今後は釣りが大好きなブロガーと連携して、地元で釣り大会や教室を展開できるといい」と期待している。

都田建設が設定したテーマは「こだわりマイライフ 」。アウトドアや手料理、子育てなど4つのテーマのブログを集めている。

「家族との時間を大切に、こだわりのある生活を送る人たちとのコミュニケーションを作りたかった」と蓬台浩明社長。「都田建設が目指す方向を理解してくれるブロガーと緩やかなネットワークが広がれば、顧客獲得にもつながる」と話す。

シーポイントは消費者と継続して情報交流できるという、単純な広告掲載にはない魅力を訴える。利用企業を年内には15社程度呼び込む計画。ブログを通じて地域企業と住民の交流が深まれば、地方経済の活性化にもつながりそうだ。
(浜松支局長 大西穣)

このページの先頭にもどる