TOP > メディア掲載記事 > 日本経済新聞 H21.11.14

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しずおか発 はばたく実力派 「ご当地ブログ」快走

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世界中とリアルタイムでつながるイメージが浸透しているインターネットの世界に、「ご当地」という概念を持ちこんだのが、ブログ運営などネット関連事業のシーポイント(浜松市)だ。

同社は現在、沖縄版のブログ「てぃーだブログ 」と、浜松エリア版「はまぞう 」を運営。てぃーだの月間ページビュー(PV)数は8900万と、沖縄関連のサイトでは断トツだ。

人気の理由は「地域の情報をもっと知りたい、地域の人に知ってもらいたい、というニーズに合致した」(野澤浩樹社長)ことだ。

地方に住む人は東京や大阪など大都市に目を向けがちで、地元のことは案外知らない。ただ自分の町の魅力を知りたい、伝えたいという思いはある。野澤氏は「地域活性化にこそネットは生かせる」と強調する。

サイトをのぞくと、沖縄の離島などの情報も充実。毎日約6000の最新情報が寄せられる。トップページにはブロガーたちが投稿した沖縄各地のリアルタイムの写真も並ぶ。観光ガイドや旅行会社のサイトではまねできない生の情報が次から次へと配信される。

開設4年半で沖縄では完全に浸透し、影響力も大きい。被災地支援のチャリティーコンサートをブログで告知すると、2000人が集まったという。

「情報発信に慣れていない口べたな人が多い地方の情報交流に、ブログは向いている」と野澤氏は確信している。

「はまぞう」も、規模では「てぃーだ」に及ばないが、愛知県東部にも広がるなど地域に浸透している。地元企業などがマーケティング戦略として活用しているのも、はまぞうの特徴だ。

ご当地ブログを開設したいという需要にこたえようと、同社はブログシステムをソフトの期間貸し(ASP)で提供するサービスも展開。北海道から九州まで数十のサイトが立ち上がっている。

運営者は地元の漬物店や介護会社など様々で「地元を活性化したいという人ばかり」(野澤氏)。国内だけでなく、タイでも需要がある。

同社の売上高構成をみると、実はブログ関連の収入はごく一部にすぎない。収益の柱はサーバーのレンタル事業。ネット通販用システムの開発も収益源だ。

同社は「大手の下請けにならない」を経営方針に据える。IT業界は製造業と同じピラミッド構造で、大手企業の外注が滞れば、中小企業は経営が傾く。

ご当地ブログといったニッチ(すき間)事業を複数持てば、景気動向に左右されにくい。同社の2009年6月期の売上高は6億8200万円。前の期より4%増えた。

野澤氏の将来の夢は2つある。1つは沖縄を拠点にアジア市場を開拓することだ。「アジアのネット産業はこれから大きく発展する。地域限定の考え方をいち早く浸透させ、日本とアジアの交流も進めたい」。

もう1つはふるさと、浜松の活性化。具体策として「データセンターの誘致」を掲げる。データセンターがあれば、ネットワーク関連の人材が育ち、関連産業も集まる。主力の製造業の業績が低迷して元気のない浜松だが、その潜在能力を野澤氏は信じている。

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