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ブログのオープン性とSNSのコミュニティ色を兼ね備えた「地域ブログ」

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ブログと地域活性化 ● 野澤浩樹 株式会社シーポイント 社長

沖縄県の「てぃーだブログ」、静岡県浜松市の「はまぞう」など、地域情報をテーマにしたブログポータル「地域ブログ」を運営する、株式会社シーポイントの野澤浩樹社長に、ブログと地域活性化の可能性について話を聞いた。

ブログには初心者でも興味を示す

私は静岡県浜松市に本社がある。インターネットビジネスの株式会社シーポイントを経営しています。当社では、沖縄県の情報を集めた「てぃーだブログ」、浜松市の「はまぞう」をはじめ、その地域の情報を集約し、情報発信する「地域ブログ」を運営しています。

私が地域ブログを始めたのは、「地域活性化をやりたい」という思いがあったからです。十年前、インターネットビジネスを始めるときに、私は東京ではなく、生まれ育った浜松市を拠点にしました。周りの人たちには、「東京でやるべきだ」と言われました。実際、ネットビジネスを志す人は、ほとんど東京に行きました。

しかし、インターネットの強みは、だれでもどこでもできることにあります。地方にいても、東京の大手と真っ向勝負ができるのがインターネットです。ですが、地方の人は、まだそこまでインターネットを使いこなせていないのが現実です。

それを何とかしたいと考えて思いついたのが、地域ブログです。ブログはインターネットの知識がなくても、パソコンすら使ったことのない人でも、簡単に使うことができます。私はNPOが行うパソコン教室などにもよく行きますが、ブログには全くの初心者でも興味を示してくれます。

今までの無料ホームページでは、どうしてもネットの知識がないといけませんでしたが、ブログはキー入力ができれば書き込むことができます。たとえ、パソコンが使えなくても、携帯からでも書き込めます。デジタルデバイドがない、差別されないということが、ブログの最大の特徴だと思います。

沖縄のためのブログに賛同者が続出

現在、当社が直接運営している地域ブログは、沖縄県の「てぃーだブログ」と浜松市の「はまぞう」です。

まず、平成17年の3月に「てぃーだブログ」を開設しました。「てぃーだ」とは、沖縄の方言で「太陽」という意味です。

私が沖縄に強く関心を持つようになったのは、20歳のときに沖縄に旅行に行って、ヤシの実を買ったことがきっかけです。沖縄ではヤシの実が2,000円ほどで売っていたので、親へのおみやげに購入しました。持ち帰るのがたいへんでしたので、実家に着払いで郵送すると、運賃だけでも5,000円ほどになってしまい、親に「こんな高いものを買うな」と叱られてしまいました。このときの体験が、後にEC(電子商取引)事業を行うきかっけになったのです。

それからいろいろと調べるうちに、沖縄のECショップの売上げは、全国に比べて低いことが分かりました。そこで、私の個人ブログで、沖縄に対する提言や思い入れ、沖縄の思い出などを書き続けていきました。と同時に、沖縄に当社の事業所を設立しました。

そうするうちに、沖縄の著名なブロガーの方をはじめ、次々と私の考えに賛同してくださる人ができました。いよいよ「てぃーだブログ」をスタートすることになったとき、初日だけで百人以上の方が、「てぃーだブログ」でブログを開設してくださいました。それと同時に、アクセス数が1日で2万件に達しました。

大手のブログをやめて、当社に移ってきたブロガーの方も多くいました。当時はテンプレートのデザインや種類でブロガーを獲得することが一般的でしたが、当社には恥ずかしながらテンプレートが1種類しかありませんでした。それでも、当社を選んでくれたのは、「沖縄らしい、沖縄のための、沖縄の情報発信のブログ」という理念に共感してもらえたからだと思います。

コミュニティを束ねてブログポータルへ

一方で、平成17年10月に開設した、浜松市の「はまぞう」は、私の出身地でもあるため、私が自分の足で、いろいろなNPOやコミュニティの方々と実際に会っていく中で、次第に形になっていきました。

もともと浜松周辺には、「はままつブログ村」「いわたブログ村」といった10人前後のコミュニティがあり、パソコンやインターネットの講習会などを頻繁に開催していました。私自身も浜松で「アクション・シニア・タンク」というNPOの理事を努めていますが、そうする中で、地元で活動されている方々を「浜松のブログポータルをつくりたい」とお誘いしたのです。

すると、皆さんがそれぞれの活動を束ねるポータルサイトの必要性を感じてくださり、小さなコミュニティを統合する形で、「はまぞう」が誕生しました。実際の運営や活動は、各コミュニティの方々が精力的に動くことで、横のつながりが広がって、自然増殖的にブログ開設者が増えており、全体が活性化しています。

ですから、「はまぞう」のカテゴリーは、ほかのブログポータルとは一味違って、「はままつブログ村」など、それぞれのコミュニティ単位のカテゴリーがそのまま残っています。あくまで既存のコミュニティの集合体が「はまぞう」の特徴だからです。

私もパソコンの講習会などによく参加しますが、参加者にはその場でブログを開設していただくようにしています。キーボードに触れるのが初めてで、一本指で入力するような方でも、文字を打つことさえできればブログはできます。ブログは開設にいたる壁が低いので、こちらで少し後押しすればどなたでも始めることができます。

成り立ちの違いが性格の違いに

「てぃーだブログ」と「はまぞう」は、そもそもの成り立ちが違いますので、それに応じて特徴も異なっています。

「てぃーだブログ」の場合は、沖縄の情報発信を主眼として、私が主にインターネットで築いた人脈を基にしていますから、県外に向けての情報発信という色合いが強いです。特にこちらから指示しているわけではないのですが、ブロガーの方もそういう意識が強いようです。例えば、自分の行ったおいしいお店を紹介する場合、そのお店の外観から、メニュー、出された料理をきちんと写真に撮って、丁寧に説明する方が多いのです。もちろん、地図や連絡先も付けて、その記事を読めば、だれでもそこに行けるような配慮があるわけです。もちろん、地図や連絡先も付けて、その記事を読めば、誰でもそこに行けるような配慮があるわけです。

ブロガーは7割が沖縄の方で、3割が県外です。ですが、アクセスは、県外が7割、県内が3割と逆転しています。そのため、「てぃーだブログ」には、ブログだけでなく、ネットショップやトラベルなどのメニューも用意しています。

一方で、「はまぞう」は書くのも見るのも8割が地元の人です。顔が見えている人同士のつながりを基盤にしているので、記事に対するコメントやトラックバックが非常に多いことが特徴です。新着ブログに対する反応は、ほかのブログポータルでは見られないほど多いですね。「はまぞうは、一種のコミュニティサイトの役割を果たしているのだと思います。

全国各地の地域活性化を支援

当社では、それ意外にも札幌から静岡まで、地域ブログの運営を支援しています。ブログサービスや運営のノウハウを提供しています。

全国各地には、自分の地域をなんとかしたいと考えている人が多くいます。そういう人たちをうまくマッチングして、地域活性化の手助けをしたいと考えています。

ブログは個人が自分の言葉で好きなことを書けることが一番の魅力です。一方で、地域を結ぶ取り組みとしては、SNS(ソ−シャル・ネットワーキング・サービス)があります。SNSにも利点は多くあるのですが、情報をオープンに出せるブログを活用することは大きな力があると思います。

地域ブログは、情報のオープン性とともに、SNSの持つコミュニティ色を強く出すことができます。言わば、ブログとSNSの中間に位置し、両者の利点を生かしたものといえます。今後も、地域ブログによる地域活性化をますます推進していきたいと思います。(談)

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